アニオン電着塗装とは?カチオンとの違い、メリット、デメリットについて解説!
アニオン電着塗装とは
アニオン電着塗装は、被塗物(製品)を電着槽内の塗料に浸漬させ、一定時間直流電流をかけることで被塗物に塗料を電着させるといった塗装方法になります。その際、被塗物(製品)を陽極、塗料を陰極として行います。
アニオン電着塗装とカチオン電着塗装の違いについて
この2つの塗装方法の大きな違いとして、被塗物と塗料の極が逆である点になります。
また塗料に含まれる樹脂が異なり、アニオン型ではアクリル樹脂、カチオン型ではアミノアクリル樹脂が含まれます。
加えて、塗料の㏗にも違いがあり前者は弱アルカリ性、後者は弱酸性となります。
カチオン電着塗装と比べたアニオン電着塗装のメリット
アニオン型は塗料にアクリル樹脂を使用しており、透明性が高いという特徴をもっています。
そのため様々な顔料を使用することができ、塗装におけるカラーバリエーションはカチオン型以上に豊富です。
カチオン型の後処理として高温での焼付の工程があるが、アニオン型では低温の焼付の工程を行うため高温に弱い製品での塗装を行うことが可能になっています。
カチオン電着塗装と比べたアニオン電着塗装のデメリット
アニオン型は、弱酸性のものとなるため鉄に対する塗装としてはやや不向きではあります。
また、被塗物が陰極である関係で銅・黄銅・銀メッキに対する塗装には使うことができません。
製品の素材や下地のメッキの種類や膜厚によって変化する部分ではありますが、カチオン型よりアニオン型は耐食性の面で多少劣ります。
アニオン電着塗装の主な用途について
アルミサッシといったアルミニウム製品に対する塗装としてはカチオン型よりしっかりとした塗装ができます。
また、メッキ加工した製品(クロムメッキやニッケルメッキ等)に対する塗装についてもアニオン型に強みがあります。
最後に
さて、カチオン電着塗装についてご理解いただくことはできましたでしょうか?
どういった塗装を行うかを考えるうえで、どういった効果・色を求めるのか、その上で被塗物(製品)はどういった形状・素材なのか等を踏まえて選定していくことが必要になります。
タマ化工株式会社では、カチオン電着塗装の表面処理を行っております。受入れから出荷までの一括管理で迅速な納品が可能であり、小物から大型部品まで対応可能なフレキシブルな塗装ラインを有していることで、低コストでの加工が可能なようです。表面処理のお困りごとがございましたら一度お問合せしてみてはいかがでしょうか。