電着塗装の工程に欠かせない電着塗料回収用UFシステムとは

電着塗装の工程に欠かせない電着塗料回収用UFシステムとは

みなさん、電着塗装の工程に必須な設備は何だと思いますか。
脱脂処理や化成処理の設備ももちろん必要ですが、電着塗装がさまざまな表面処理に採用されている理由にもなっている設備があります。
それは電着塗料回収用UFシステム》です。
今回はこの電着塗料回収用UFシステムについてご紹介します。

電着塗料回収用UFシステムの概要

簡単に言うと、水洗槽の中で混ざった塗料と水を分離させるシステムです。
電着工程後の水洗工程時に被塗物に付着した塗料が水洗プールに混ざります。塗料と水が混ざるため、このシステムにより塗料と水を分離させます。分離させた塗料は電着塗料槽に戻り、水は水洗槽に戻ります。よって塗料として再利用でき、水も水洗水として再利用します。

UF(正式名称)とは

UFとは、ろ過する際に使用する膜の種類の一つであり、「Ultra‐Filtration(限外ろ過)」の略称です。ろ過される液体を高分子物質と水やイオン状物質などの低分子物質に分離させるろ過膜になります。電着塗装の場合、高分子物質は塗料、低分子物質が水となります。

電着塗料回収用UFシステムの特徴

①塗装の無公害化

公害の原因となる水質汚濁を防ぐことができます。
また塗料と水に分離させるので、塗料を含んだ汚水を排出することはありません。さらには大気汚染の一因とされる「VOC(揮発性有機化合物)」の排出が少ない水溶性の塗料も使用しているので、環境保全に大きく貢献しています。

②電着塗料の補給量低減

分離された塗料は電着塗料槽に戻され、再び塗料として供給できるので、電着塗料の補給量低減が図れます。
水洗プールに混ざった塗料の90%以上が回収可能であり、塗料の補給費用と処理費用が削減できます。また、UFシステムの導入に費やした投資額は1.2年で回収することができます。

③純水使用量の削減

分離された水は水洗槽へ送られ、再び水洗水として使用できるので、純水使用量と排水量の削減が図れます。UFシステムがある場合とない場合と比べると、排水量が10分の1程までに削減することができます。

最後に

いかがでしたでしょうか。
意外と電着塗料回収UF装置は見逃されがちですが、電着塗装の設備で重要な役割を担っています。
このシステムがあることによって、電着塗装が環境に優しいと認知され、広く採用されるようになりました。
タマ化工株式会社では、カチオン電着塗装の表面処理を行っております。受け入れから出荷までの一括管理で迅速な納品が可能となっております。また、小物から大型部品まで対応可能なフレキシブルな塗装ラインを有しており、低コストでの加工が可能となっております表面処理のお困りごとがございましたら、是非相談してみてはいかがでしょうか。